適応障害は保険が降りる?そもそも加入できる?おすすめ・注意点を解説
なりたくてなるわけではない「適応障害」ですが、直面したときさらに不安をあおってくるのが「保険は適応されるのか」という問題ではないでしょうか。
適応障害になったら保険はおりるのか?
新しく保険に入ることができるのか気になりますよね。
結論からお伝えすると、適応障害になってから加入できる保険はあります。
精神疾患が保障される保険は存在するので、自分に合う保険を見つけておくと安心できるはずです。
ただし条件を満たしていなければ、適応障害の有無に関わらず加入を断られることもあるのが保険というもの。
「生命保険」や「就職不能保険」「就労保障」などの言葉に惑わされず、信頼できる自分にぴったりな保険に加入してくださいね。
この記事では、以下の点をお伝えします。
- 適応障害の人が加入できる保険の例
- おすすめの保険
- 選ぶ際の注意点
適応障害を初めて経験し不安を抱えているかたや、再発してしまいつらい思いをしているかたの、心の支えとなれば幸いです。
そもそも適応障害の症状とは?
まず前提として「適応障害」とは、ある特定のできごとが本人にとって、とてもつらく耐えがたいものであり、それが原因で行動や気分に症状が出ることを意味します。
人によって「ある特定のできごと」は異なりますが、たとえば転職や引越しなど変化のタイミングで適応障害が引き起こされることが多いです。
症状としては憂うつな気持ちになったり、不安感が強くなったりなど精神面にみられるほか、暴飲暴食や無謀なけんか、乱暴な運転などの行動に現れることもあります。
適応障害が長引くことでうつ病や統合失調病、不安障害などの症状へと移ってしまうことも珍しくはなく、はやい段階で適切に治療をおこなうことが重要です。
適応障害の人が利用できる公的支援制度とは?
適応障害の人が頼れる制度はおもに、下記の2通りです。
- 公的支援制度:国からサポートをしてもらえる国の制度
- 民間保険:みずから契約しサポートを受ける保険
適応障害になった人がまず検討したいのが、「公的支援制度」の活用です。
流れとしては、「公的支援制度」の活用でカバーできない部分を「民間保険」でまかなう、というイメージを持っておくのがおすすめです。
適応障害になったとき、まず検討できるのが下記のような公的支援制度です。
- 労災保険
- 傷病手当金
- 自立支援医療
- 精神障害者保険福祉手帳
それぞれ活用できる要件が異なるので、自分に当てはまるものの手続きをしてくださいね。
なお、フリーランスや個人事業主で社会保険料を払っていない人は、「公的医療保険制度」が基本的に活用できません。
下記でご紹介する「民間保険」についても、じっくり確認してみてください。
上記4つの内容を深掘りしてご紹介します。
適応障害で活用できる公的支援制度①:労災保険
適応障害になったとき、まず検討するのは「労災保険」かもしれませんね。
結論としては、適応障害で労災保険の適用を受けるのはかなり難しいです。
適応障害や精神疾患で労災保険を受けるためには、その原因が仕事であることが明確に証明できなければなりません。
しかし精神的な病気となると、多くの場合に職場以外での精神的ストレスが認められるため、労災認定が受けにくいです。
また、アルコールや薬物による障害、または認知症や頭部外傷による障害の場合には、労災認定は受けられません。
一方で、職場でのセクシャルハラスメントや、業務による強いストレスが証明できる場合には、労災認定が受けられる希望があります。
適応障害で活用できる公的支援制度②:傷病手当金
会社員として健康保険に入っている場合に申請できる「傷病手当金」は、精神障害を含む病気やケガが理由で3日以上欠勤した場合に、4日以降の休みに対して給付金が支払われる制度です。
支給額は最長1年6ヶ月と長く、毎年4〜6月分の平均月収から3分の2が割り当てられます。
うつ病や不安障害、パニック障害をはじめとした精神的な病気で休職した際にも対象になるので、所属している健康保険組合や社会保険事務局に申請をしてみましょう。
適応障害で休職した方が一番お世話になるのが傷病手当金かもしれません。こちらは別記事で詳しく解説予定です。
適応障害で活用できる公的支援制度③:自立支援医療
なんらかの精神疾患がある人のなかで、通院治療が必要となった人が対象となり、療養に必要な費用が割引になる制度です。
対象となる精神疾患の例としては、うつ病、躁うつ病、統合失調症、知的障害、不安障害、てんかんなどがあげられます。
通院にあたりかかる治療や投薬、訪問介護などの医療費の自己負担額が、原則1割になります。所得に応じて最大負担額が設定され、それ以上の請求の心配がないのも安心要因のひとつ。
対象としているのは精神疾患であり、風邪などの病気は対象外です。
詳しくはお住まいのエリアにある、保険福祉センターで確認してみてください。
適応障害で活用できる公的支援制度④:精神障害者保険福祉手帳
保険制度とは若干離れますが、税金の控除のほか免税、通信キャリアの使用料の割引、公共料金の優遇サービスなどが受けられることがあります。
「精神障害者保健福祉手帳」は、精神障害から6ヶ月以降にも症状が残り、日常生活や社会生活に制約がある場合に受け取れる手帳です。
この手帳を持っている人の中でも特に重いケースの場合には、訪問介護や就労支援などの福祉サービスが受けられることもあります。
なお、精神疾患のない知的障害の人には適用されません。精神疾患を持ちつつ加入できる保険の多くが、高めの保険料を設定しています。公的制度はうまく活用して、費用の相殺を目指しましょう。
【注意】適応障害の入院費用は公的医療保険が適用されません
適応障害でメンタルクリニックや精神科など病院に行く場合、風邪を引いたときと同様に医療費は3割の自己負担になります。
ただし、入院をすることになった場合、入院中の食事代や日用品代などは全額自己負担です。理由は、病気にならなくても生活をするうえで必要となる費用だからです。
とはいえ、精神疾患で入院になる場合の日数は基本的に長くなるため、公的医療保険だけでは苦しいと感じることもあるはずです。
だからこそ、公的医療保険ではまかないきれない部分を、下記でご紹介する民間保険でカバーしておくと安心できます。
ただし、世間にある保険のほとんどが発病後に加入できないため、自分に合うものを探すことが大切です。
もし今メンタルに不安がある人は精神疾患をカバーできる保険を検討してもいいかもしれませんね
適応障害の人は保険に加入できる?難しいのが事実です
適応障害の人に限った話ではありませんが、保険は基本的に、有病者の加入を断る傾向があります。
なぜなら、保険会社は病気になった人へ医療費を払うことが仕事であり、すでに病気がある人を加入させるのはリスクが大きいからですね。
でも、適応障害になった人が保険を諦めるのは、まだはやいです。
基本的には、すでに病気を持っている人でも加入できる「引き受け条件を緩和している保険」を活用することができます。
病気を隠して保険に加入しても良い?
適応障害などの精神疾患は、言わなければ周りの人にはバレないケースも多いです。
そんな適応障害ですが、病気を病気を隠すことは告知義務違反になるので、加入時にはかならず事実を伝えましょう。
保険会社は保険金の支払いをなるべく抑えるため、保険組合を通し入念な調査をおこなうものです。
保険組合の情報については医療機関外への秘密保持の義務があるため、メンタルクリニック等への通院事実が会社などにバレることはありません。
しかし、保険会社にとってチェックはとても簡単なので、隠して信頼性を失うくらいなら、自分からしっかりと相談したほうが自分のためです。
適応障害が治っても保険には入れない?
一般的には過去5年以内の持病に関する告知義務があるため、精神疾患を含むすべての病歴を隠すことなく伝える必要があります。
つまり、一度は適応障害になってしまった人でも、5年以上にわたり医師による検査や投薬、治療などを受けていなければ、告知義務はないということです。
通常の医療保険にも、なんの問題もなく加入できる日がまたやってくるかもしれない、と希望を持って、いまは治療に専念してみてくださいね。
適応障害になったら焦るのではなく、まずはゆっくり静養しましょうね。
適応障害が対応の「民間保険」!種類を解説
適応障害になったとき、頼りになるのが「民間保険」です。
世の中にはさまざまな保険がありますが、適応障害が保証対象となる民間保険にはおもに、下記の2つです。
- 生命保険
- 就業不能保険
特にフリーランスや個人事業主こそ、働けなくなったとたんに収入が途絶え不安が大きいものですが、「公的医療保険制度」は活用できないことが多いとお伝えしました。
会社員も、そうでない人も、「民間保険」でしっかり生活がまかなえる状態をつくっておけると安心です。
適応障害対応の保険例①:生命保険
まず「生命保険」などの医療保険と呼ばれる保険ではおもに、「通院給付金」あるいは「入院・手術給付金」が主契約の内容となっているはずです。
適応障害になってしまった人も、入院や手術、通院が必要となった場合、要件を満たしていれば問題なく給付金が受けられます。
「入院・手術給付金」の場合にはその名のとおり、入院や手術が必要となったときに給付金が出る、というシンプルなものが多いです。
一方で「通院給付金」を受け取る場合には、「通院をする」ことで給付金を受けられるケースと、「入院をした場合にのみ通院時の費用が受けられる」ことを要件としているケースがあります。
適応障害や精神疾患での給付金が適用されていることだけでなく、受け取るための要件まで納得したうえで保険に加入しましょう。
適応障害対応の保険例②:就業不能保険
「就業不能保険」は、適応障害の診断を受けた人が、主治医により「就業不能状態」であると判断された場合に、契約にて定められた形で給付金が受けられるというものです。
就労不能な状態が一定期間、継続したと判断された場合に、一時払いから月払いなどの決められた給付金を受け取れます。
ほとんどの保険会社で、下記のような要件を設定しています。
- 医師により「就業不能状態」であると診断されていること
- 保険会社が定める「就業不能状態」の定義に該当していること
- 免責期間を超過していること
ポイントになるのが、保険会社によって「就業不能状態」が異なることです。
たとえ医師により「就業不能状態」と診断されても、保険会社が定めている要件に当てはまっていなければ、給付金は受け取れません。
就業不能保険は保険会社やプランによって内容がかなり大きく異なるので、不安な点をしっかりカバーしているか見極めていきましょう。
保険商品の紹介は、具体的にまとめて記事にする予定です。
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適応障害になった人が検討したい「引受緩和型保険」
適応障害をわずらっている人が新規で保険加入をするのは、なかなか難しいことがあります。
そこで注目したいのが、生命保険の一部である「引受緩和型保険」です。
その名のとおり加入のための条件が緩和されている保険なので、一般的な保険には入れない適応障害の患者でも加入できる可能性がアップ。
ただし加入条件が無いわけではなく、あくまで「緩和」なので、たとえば下記のような告知事項に当てはまる場合にはやはり、保険の加入は難しくなります。
- 今後3カ月以内に入院・手術を医師にすすめられている
- 過去2年以内に病気やケガで入院・手術をしたことがある
- 過去5年以内にがんや肝疾患、腎疾患、精神疾患で入院・手術をした
ただし「引受緩和型保険」は、保険加入の条件を緩和する代わりに保険料が高い傾向があります。
まずは一般的な保険加入の可否を確認してから、最終手段として「引受緩和型保険」を検討するのがおすすめです。
【適応障害】保険に入りたい!どこに相談すればいい?
適応障害になってしまっても、頼れる制度はいくつかあります。
また、民間保険に加入していればその内容や要件を確認し、加入していなければ今後のことを考えて新規加入を検討してみると安心できるかもしれませんね。
気になる保険があれば保険会社の窓口に直接、不安に思っていることを相談してみるのが一番安心できるはずです。
どの保険に入るべきか検討がつかない場合には、保険の相談窓口を頼ってみると、優しく教えてもらえますよ。
わたしもメンタルが不安定になったとき、不安な気持ちを胸いっぱいに抱えて、相談しました。保険のことをゼロからていねいに解説してくれるので、安心して相談してみてくださいね。
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