適応障害の壁を超え、転職で運命を掴む!休職3か月の私が成功した職務経歴書術
私は2021年に適応障害を発症し、3か月の休職を経て復職しました。その後、2023年に転職し、現在までに3度の転職経験を持っています。直近では年収を600万円から900万円にアップすることができ、適応障害を抱えながらもキャリアアップを実現してきました。また中途の採用活動にも携わっていたため、どういったポイントを見ているかも実体験をもってお話できます。
私自身の経験をもとに、同じ悩みを抱える方に役立つ情報や、少しでも力になれるようなアドバイスを発信していきたいと思います。
履歴書・職務経歴書の書き方の基本
このガイドは、適応障害で休職経験があり、現在復職して1年以上経過している方が適応障害や休職経験をクローズして転職活動をすることを前提にしています。転職を考えながらも、履歴書や職務経歴書の書き方に不安がある方に向けて、基本的なポイントを押さえつつ、注意点を解説していきます。
履歴書と職務経歴書の違い
履歴書は主にプロフィールを整理するためのものであり、企業が確認するのは名前や住所、学歴、職歴、資格などの事実ベースの情報です。履歴書がじっくり読まれることは少なく、採用担当者は基本的な情報をざっと確認する程度です。そのため、詳細な自己PRを入れる必要はなく、事実を簡潔に記載するだけで十分です。
また、適応障害に関連する「在職中の休職期間」については、クローズド転職を前提にしているため履歴書には記載せず、職務経歴書でも触れないようにしましょう。企業には、過去の職務内容や成果を中心に評価してもらうことが狙いです。
希望年収や資格の書き方
希望年収の書き方
希望年収は必ず記載しましょう。ぶっちゃけ転職に年収が関係ない人なんていないはずです。ここをボヤかした状態ですと、あとあと内定が出た後に悩みのタネになってしまいます。
希望年収は、現年収を基に現実的な範囲で設定しましょう。目安としては、現在の年収より50万円~100万円アップが妥当です。例えば、現在の年収が400万円の場合、450万円~500万円程度が現実的な範囲となります。また、希望年収は各種手当を含めた総額で記載しましょう。より良い条件を引き出すためには、盛ることが大切です。実際の年収イメージが企業側にも伝わりやすくなります。
資格欄のポイント
資格欄については、採用に大きな影響を与えることは少ないため、必要最低限の資格のみを記載することがベストです。
特に「英検2級」や「簿記3級」、「TOEIC700点」など、一般的で業務に直結しない資格や中途半端な実績は、採用担当者から見て減点対象になる場合があります。記載する資格は、転職先で役立つもの、有利に働くものに絞り、必要なものだけを選んで記載することをおすすめします。
職務経歴書の書き方のポイント
職務経歴書は、面接官が限られた時間であなたの強みを理解するための重要な資料です。多くの企業では、職務経歴書を約5分程度でざっと確認します。したがって、ボリュームはA4 2枚程度が目安となり、内容が多すぎて冗長になることは避けるべきです。今回は、職務経歴書を作成するうえで大切な3つの観点、
- 分かりやすさ
- 減点がないこと
- マッチング
を押さえた書き方を解説します。
分かりやすさ
職務経歴書における「分かりやすさ」は非常に重要です。面接官があなたの経歴をスムーズに理解できるように、言葉の選び方や構成を工夫することが求められます。
絶対に避けるべき表現
まず、絶対に避けるべき表現は、曖昧で抽象的な言葉です。たとえば、「貢献しました」「努力しました」「サポートしました」などは非常に一般的で、具体的な成果を伝えません。これらは印象が薄く、面接官が求める情報を得るのが難しくなります。これらの表現よりも、具体的に何をしたか、どの会社・部署で、どのような立場で取り組んだのかをはっきり書くことが重要です。
また、「私は非常に優れたコミュニケーション能力を持っています」などの自己主張も避けるべきです。主観的な表現ではなく、実際にどのような状況でどのようにコミュニケーションを発揮したのかを事実として記載することが重要です。
「分かりやすさ」向上のためのテクニック
業界・会社名を記載する
当たり前ですが業界名と企業名は必ず記載しましょう。特に、企業名が有名であれば、その実績も強調できます。どのような業界に従事していたのかを明確にすることで、面接官はその分野に対する理解度を測ることができます。
役職と業務内容を明確に書く
あなたの役職や担当した業務内容を具体的に記載することが大切です。業務内容は、どの部署でどのような仕事をしていたかを簡潔に説明します。数字で成果を示すことも一つの方法ですが、重要なのは「どの仕事を担当していたのか」「その役職で何を実行していたのか」です。
また役職も会社によっては、一般的には課長級を主事と呼んだりする会社があると思います(私の1社目がそうでした)
こうした会社特有の役職名称は避け、一般的に分かりやすい役職名・課長などを使用するようにしましょう。
業界専門用語は避ける
あなたの職務経歴書が専門的な業界であったとしても、業界外の面接官が理解できるように、業界専門用語はできるだけ避けましょう。専門用語を使いすぎると、相手に伝わりにくくなり、理解されないリスクがあります。一般的に通じる言葉を選び、必要に応じて簡単に説明を加えることで、分かりやすさが格段に向上します。
重要なスキルや経験に焦点を当てる
あなたが経験した具体的な業務内容や、得たスキルについて説明しましょう。例えば、プロジェクト管理やチームリーダーとしての経験など、仕事を通して得たスキルや知識を強調します。
重要なとは何ぞや?と疑問に思ったら、この後のマッチングでも記載しますが、求人票に書いている求める要件や実施する業務が重要なスキルや経験です。
求人票に則って書くということを意識しましょう。
減点が無いこと
職務経歴書では、ポジティブな印象を与えることが重要ですが、過去の失敗や不利な情報を記載することは避けるべきです。特に、不利になる情報は記載しないということが大切です。
不利になる情報を記載しない
例えば、休職経験や過去の転職歴が多いことを気にして隠したくなるかもしれませんが、転職理由や転職回数に触れる必要はありません。
転職歴が多い場合でも、その理由に関して記載することは避けましょう。転職理由に関しては面接時に質問があった場合に答えればよく、職務経歴書に書く必要はありません。職務経歴書では、過去の職務での成果やスキルを強調し、ポジティブな印象を与えることが大切です。
職歴が短い場合や求人に合致しない職歴がある場合
職歴が短い場合は、その情報に注目されることを避けるために、会社名、役職名、業務内容を簡潔に箇条書き程度で書くことをおすすめします。詳細な理由や退職に至った経緯は触れず、仕事内容に焦点を当てることが大切です。過去の仕事について語る際に重要なのは、どんな役割を果たし、どんな成果を上げたのかを中心に記載することです。
求人にマッチした職歴でなければ、たいして見られもしないので、そこにスペースと時間をかけるのは勿体ないです。さらっと済ませましょう。
マッチングへの意識
職務経歴書を作成する際、応募する企業の求めるスキルや条件に合わせて内容を調整することが重要です。これを「マッチング」と呼びます。求められている職種にあなたの経歴やスキルをどのように適応させるかを意識することで、面接官に「この人はまさに求めていた人物だ」と感じてもらうことができます。
マッチングを高めるための最低限の工夫
応募先の企業が求めるスキルや経験を理解し、それにマッチする内容を強調することが大切です。このマッチングを意識して職務経歴書を作成すると、面接官に自分がそのポジションにふさわしい候補者だと印象づけることができます。
具体的な方法としては、自分の経歴を募集職種の要件に「言い換える」ことが重要です。企業が求人票に書いている要件や求めるスキルに合わせて、自分の過去の経験をどのようにアピールできるかを考えましょう。言い換えは、単に言葉を変えるのではなく、その経験がどのように応募するポジションに役立つかを強調することです。
例えば、ある企業が「プロジェクト管理経験」を求めているとしましょう。その場合、単に「プロジェクト管理経験があります」と書くだけではなく、「前職で〇〇プロジェクトをリーダーとして担当し、予算管理や進行管理を行い、プロジェクト完了後には◯◯%のコスト削減を達成しました」と、この部分は具体的に書きます。これにより、面接官はあなたがその職務に対してどの程度の経験があるかを理解しやすくなり、実際の成果が評価されるポイントとなります。
さらに、例えば「チームマネジメント能力」や「顧客対応経験」が求められている場合、自分が過去にどのようなチームでどのように働き、どんな結果を出したのかを具体的に示すと効果的です。「チームをまとめて目標達成した経験」や「顧客からのフィードバックをもとに改善策を提案し、満足度を◯%向上させた」など、あなたが提供できる価値を言葉で表現しましょう。
また、自己PRを企業のニーズに合わせてカスタマイズすることも重要です。応募する企業の事業内容や職務内容に合わせて、あなたの経験がどのようにその企業の成長や目標達成に寄与できるのかを明確に伝えることが、強いアピールポイントとなります。
必ず1社1社専用の職務経歴書を作成しましょう。企業が求める人物像に自分がぴったり合っていると感じさせるために、過去の実績と照らし合わせながら具体的な成果やスキルを伝えましょう。
このように、自分の経歴を求人票に書かれた職務要件や企業のニーズに合わせてアピールすることが、マッチングを高めるための最も効果的な方法です。自分が過去にどんな経験を積んできたかを、どのように企業のニーズに応える形で表現できるかを考えることが、転職活動を成功に導く鍵となります。
職務経歴書の具体的な作成方法
具体的な職務経歴書の例は以下記事内noteで公開しています。
実際に私が書いた職務経歴書を公開し、解説してますので理解が深まると幸いです。
応募企業の探し方と職務経歴書の活用
職務経歴書を作成した後、次に重要なのはどの企業に応募するかという点です。求人を選ぶ際には、自分に合った企業や職種を選ぶことが必要です。ここでは、転職エージェントの活用法と自分で求人を探す方法について解説します。
転職エージェントの活用法
転職エージェントは、転職活動の強力な味方となりますが、その役割と限界について理解しておくことが重要です。転職エージェントは求人情報を提供し、応募書類の添削や面接対策、場合によっては年収交渉までサポートしてくれます。しかし、エージェントは必ずしもすべての求人を把握しているわけではなく、取引先企業に特化した求人を取り扱っている場合もあります。つまり、エージェントに頼りすぎることなく、自分でも積極的に求人を探す姿勢が大切です。
転職エージェントを効果的に活用するためには、以下のポイントを押さえましょう:
- 自分の希望を明確に伝える
- 複数のエージェントを活用する
- 求人の質を確認する
自分の希望を明確に伝える
転職エージェントはあなたの希望に合った求人を紹介するために存在します。希望条件や職務経歴、転職の目的をきちんと伝え、エージェントが理解しやすいように説明しましょう。
複数のエージェントを活用する
1つのエージェントに頼らず、複数のエージェントを利用することで、より多くの求人情報を得ることができます。各エージェントの得意分野やネットワークに違いがあるため、さまざまな視点から情報を得ることが有利です。
私のおすすめはリクルートエージェントとJACリクルートメントです。
両社とも量やサービスの質で強味があります。ぜひ活用してみてください。
求人の質を確認する
紹介された求人が必ずしも自分に最適とは限りません。自分のスキルや希望に合った求人かどうかをしっかり確認し、納得できる求人を選びましょう。
自分で求人を探すときのポイント
転職エージェントを活用するだけでなく、自分で求人を探すことも大切です。特に、転職エージェントが取り扱っていないような企業の求人を見逃さないためにも、自分で情報収集することが重要です。自分で求人を探す際のポイントとして、以下の点を意識しましょう。
- 求人サイトの活用
- 企業の公式サイトのチェック
- 自分の強みを活かせる企業を選ぶ
- 業界や企業の情報収集
求人サイトの活用
求人サイトは、最新の求人情報を網羅しており、自分で効率よく求人を選ぶことができます。大手求人サイトや業界特化型のサイトを活用し、自分の希望に合う企業を絞り込みましょう。
企業の公式サイトのチェック
転職サイトには載っていない企業の求人情報が、企業の公式サイトに掲載されている場合があります。特定の企業に興味がある場合は、企業の採用ページを定期的にチェックすることも効果的です。
転職回数が多い人の場合、転職エージェントを利用すると、エージェント内の選考で落ちる可能性があります。
そのため企業への直接応募も視野に転職活動をしましょう。
自分の強みを活かせる企業を選ぶ
求人を探す際、職務経歴書に記載した自分の強みを活かせる企業を選ぶことが大切です。自分のスキルや経験が活かせる業界や職種を意識し、無理に応募するのではなく、自分が成長できる環境を見つけることが成功への鍵となります。
業界や企業の情報収集
応募する前に、企業や業界についての情報を十分に収集しましょう。業界の動向や企業の特徴を理解し、志望動機や面接対策に活かせるようにしておくことが大切です。
直接応募の方が有利なのか?
よくエージェントを使うより直接応募した方が通過しやすいだとか、良い条件を引き出しやすいなんて言われていますが、一定規模以上の会社では関係ないです。
私が採用活動をしていた際、どこ経由の応募かなんて全く気にしていませんでしたし、なんなら採用部署は知りもしません。
また年収条件についても、一定規模の会社であれば固定の給与バンドが存在し、そのバンド内で面接評価によって設定されるだけでしょう。
転職エージェント内の選考で落ちる可能性がある場合(転職回数が多い等)は直接応募の方が確実に企業に届くので、その点は良いですが、そうでない場合は気にする必要はないでしょう。
おわりに
職務経歴書の作成は、転職活動において非常に重要なステップです。自分の経歴を効果的に伝えるためには、「分かりやすさ」「減点が無いこと」「マッチング」の3つの観点をしっかりと意識することがポイントです。特に、転職活動を成功させるためには、応募先企業に適した職務経歴書を作成し、自分の強みを最大限に活かせる環境を見つけることが大切です。
また、転職活動は書類選考だけでなく、面接やその後の交渉も含まれます。職務経歴書を通じて自分の魅力を伝えるだけでなく、面接での自己アピールや企業研究もしっかり行い、納得できる企業に出会えるよう努力しましょう。
最後に、転職活動には時間がかかることもありますが、焦らずに自分のペースで進めることが重要です。適切な企業選びと職務経歴書の作成をしっかり行えば、転職活動を通じて自分のキャリアをさらに成長させることができます。あなたの転職活動が、次のステップへ進むための素晴らしい一歩となることを願っています。